お知らせ 2023/1/27

「記憶に残らない」ーー体験の価値を最大限に発揮する・施設の空間デザインについて

BUB RESORTの2拠点目となる、BUB RESORT Yatsugatakeを、山梨県北杜市清里の地で、2023年4月22日に体験型グランピングリゾートとしてサービス開始いたします。

滞在中の体験をさらに楽しめる&サービス裏のストーリーを紹介するために、この記事ではBUB RESORT Yatsugatakeの建築デザインや地域の特徴と合わせた空間設計について紹介したいと思います!

BUBの空間コンセプト「記憶に残らない」

まずはBUB RESORTの空間コンセプト、「記憶に残らない」について紹介します。
BUB RESORTのサービスの特徴として、親子の繋がりを深める体験や、大切な人と一緒に非日常を体験することが主役だと考えています。
心の底からワクワクし、それが「きっかけ」となる体験そのものに没頭するため、足し算としての装飾を控えた素地で構成し、もとからあるものを最大限活用できるようなコンセプトを掲げています。
安全かつ清潔で、無駄のない合理的な空間で繰り広げられる、BUBならではの体験を楽しむことができるような空間デザインを考えて、BUB RESORTの全体設計を行っています。

 

BUB RESORT Yatsugatake の建築特徴

BUB RESORT Yatsugatake建物の前身としての「旧大成荘」は、標高1,400mの土地に、東京都日野市により建設されました。

八ヶ岳南嶺の自然が詰まった広大な敷地には、アール・デコを基調とする屋上つき2階建ての建物が建築されています。以前は自然の学び舎として愛された歴史ある建物に新たな命が吹き込まれます。

BUBの空間コンセプトでも記述したように、BUBの「きっかけ」の体験と人との交流を最大限楽しめるように、既存のデザイン美を活かすという意味で、新たな装飾の足し算をやめ、建物や八ヶ岳の植生などの素地を活かしたBUBらしい空間づくりを目指しました。

大人もお子様も誰もが「忘れられない」体験と「記憶に残らない」サステナブルな空間でご滞在をお楽しみください。

 

ENTRANCE LOBBY(エントランス ロビー)について

1.広葉樹であるミズナラを中心に群生している。季節によって色や姿を変え、ラウンジの雰囲気に変化をもたらす。
2.八ヶ岳の植生を存分に楽しむためにサッシや継ぎ目の少ない大窓を配置。
3.半自然植生(手作業で草木の手入れをする手法)で管理された庭園には、高山植物のフジアザミやリンドウなど珍しい植物が存在する。
4.インド産の砂岩を使用した外壁で、連続的に用いることで内外の境界をなじませる。
5.大窓を境に新緑のミズナラとグリーンの混色カーペットが調和する。白を基調とした廊下にも色が反射し、館内全体の色味に調和を持たせている。

正面入り口を開けると、壮大なインパクトのある14m×3.6mの大ガラス窓があり、その先には広葉樹であるミズナラの群生と、半自然植生(部分的に手作業で草を抜いて管理する手法で草自身を楽しむ景観)を用いた高山植物や八ヶ岳の植生の庭園を一望することができます。

サッシが無く継ぎ目が少ないガラス窓により庭園がより贅沢に堪能できる空間となっています。

初夏には枝木だったミズナラにも新緑が芽吹き、その鮮やかさを取り込むようにして光と共に白を基調とした廊下一面に反射します。

外から内に取り込まれた外部空間に調和を求めるように、緑混色系統の床材を新たに採用しました。

その他にも、北欧松で仕上げた室内天井の採用や、インド砂岩で仕上げた外壁をそのまま室内壁として採用したりと、八ヶ岳の自然とその建物を、より織り交ぜた外部空間との調和を追求した空間を目指しました。

 

VACATION ROOM(客室)について

BUB RESORT Yatsugatake では旧大成荘の建築物を一部リノベーションして活用します。

建物の石壁や、施設全体に広がる八ヶ岳の植生に馴染ませるような色味や、素材をインテリアとして採用しております。素地の良さを活かし、BUBの提供する体験に没頭してもらえるような「記憶に残らない」空間を追求しました。

館内北側と南側でエリアが分かれ、大きく4つの客室タイプを設計しました。

各エリアにはスタンダードルームを基本配置しております。アクティビティ開催時によりアクセスしやすいサウスエリア、客室内バスルームを完備したノースエリアなど、ご家族やご友人、カップルの方など様々な方にとって快適で過ごしやすい機能的なお部屋となっております。

ノースエリアには従来の2部屋相当の空間を1つの部屋としてリノベーションした、最も広く開放的なスイートルームをご提供致します。

カップルやご夫婦はもちろんですが、お子様のいるファミリーでも楽しめる仕掛けとして中央に階段を設けた2段式のベッド空間、テラスで「体験」を堪能できるアイテムスペースなど、様々なワクワクが詰まったお部屋です。スイートルームをご利用の際は、BUB RESORTを最大限に楽しむために「ドリームプランナー」と呼ばれる専門スタッフがより快適なご滞在のご提案をさせていただきます。

*ドリームプランナー付きの専用プランがございます

EN HALL(エンホール)について

BUB RESORT Yatsugatake の最も象徴的な空間が「EN HALL」(EN ホール)です。

アール・デコのデザインが各所に散りばめられた装飾的な空間が、大きなスケールで広がっています。BUB RESORTでの体験の出発の合図となるオープニングセレモニーや、皆が「円型」の空間に集まり、その何気ない瞬間が「ご縁」でもあるという意味合いを込めて「EN HALL」と命名しました。

EN HALLではアクティビティだけでなくお食事会場としてもご利用いただけます。

床・壁・天井は風合いを生かすべく既存利用とし、大きな石を削り出したような円型のカウンターをホール中心部に設計しました。要所に植物や屋外用のブラケットを採用し、外の要素を室内に取り込み馴染ませるようなテーマを感じられる配置としています。

 

TANKYU LOUNGE (探究ラウンジ)について

BUB RESORT Yatsugatakeのワクワクする空間を目指してTANKYU LOUNGE (探究ラウンジ) を設置しました。

ドリンクのご提供やフリースペースとしての利用も可能ですが、エリア名からもわかるように「探究」するために作られたラウンジとしてもお楽しみいただけます。その土地の文化や歴史など、日常をただ過ごしていると想像しないであろう事柄について触れながらお過ごしいただける空間となっております。

ラウンジには3枚の額縁に入れられたアートがあり、それらにまつわるストーリーや歴史など、味覚や触覚などの五感を使って、クルーと一緒に深く探究していきます。

あるアクティビティを最大限に没頭できる時間限定の「スターウォッチング専用ドリンク」も提供しているのでお楽しみに。

 

敷地内の植生について

標高1400m、八ヶ岳南嶺エリアに位置するBUB RESORT Yatsugatake では、約1万坪の広大な敷地に豊富な植物が広がっています。ミズナラやシラカバなど、様々な樹木が敷地いっぱいに生息しており、年間約100種類の花々の開花が確認されたという施設データもあります。

その中には高山植物と呼ばれる標高2500m以上の森林限界地帯に生息する植物も見ることができます。「フジアザミ」や「リンドウ」などが当施設で実際に確認できる高山植物で、1階ロビーの大きな窓越しに広がる半自然植生(部分的に手作業で草を抜いて管理する手法)の中に生息しています。

そんな緑豊富な特徴を活かして、植物の名前を由来とするエリアが数カ所存在します。

最も標高の高いどんぐりの木として知られる、大きな幹から枝を分けたミズナラが生息する「ミズナラエリア」では、その木の丈夫ないくつもの枝分かれを利用し、ゲスト皆でツリークライミングアクティビティを開催したり、登ったその先にはウッドデッキが広がるツリーハウスとして活用予定です。

また従来だと群生する特徴を持つシラカバが1本のみ生えている「シラカバエリア」では、そんな特徴的なシラカバにフォーカスするように、夏限定でダイニングアウト形式のディナー会場として活用予定です。

 

このようにBUB RESORTのいくつものアクティビティ体験の他にも、その土地でしか触れられない体験を堪能することができます。

その土地や文化の特徴を掛け合わせたBUB RESORTならではの空間で最高の体験をお楽しみください!

 

BUB RESORT Yatsugatake 空間デザイン全体担当
本記事執筆

宮里 勇気